しにがみさん 野村たかあき
- 野村 たかあき
- しにがみさん
明治時代に作られた創作落語だそうです。
貧乏長屋の若夫婦。赤ん坊の食べ物にも困るありさまです。
いっそ死んでしまおうかと橋の上で思案している男に話しかけるものがありました。
びっくりした。だれだい?
わたしかい、
わたしは へへへ しにがみ だよ。
しにがみ!
ところが意外に親切な死神。男に金儲けの方法を教えてくれるのです。
お前はもう死神が見えるようになったから、医者の看板を出せ。病人の足元に死神がいるときは助かるし、枕元にいるときはもう助からない。足元にいるときはこう呪文を唱えれば死神はいなくなる。
アジャラカ・モクレン・ キュウライス・テケレッツのパア
言われたとおりにすると、医者は大繁盛。病人をたちどころに治す名医として男は大評判になります。お金もがっぽり儲かります。しかし欲に目がくらんでうっかり自分の寿命をお金で売り飛ばしてしまったのです。
また現れた死神は男を死後の世界に連れて行きます。一面に広がるろうそくの灯、灯、灯。
一本一本が一人一人の寿命です。まだ太くて長くて、炎があかあかとしているろうそくもあれば、すっかり燃えてしまって今にも消えそうに揺らいでいるろうそくもあります。
それが、おまえさんだ、と死神は男に教えます。このままろうそくが消えてしまったら男はこの世とはおさらばです。
落語らしいブラックユーモアいっぱいのオチが、笑えるけどちょっとだけこわ~・・・という感じです。
落語って今の物語にはない面白さがあるし、子どもでも十分楽しめると思うんです。だって昔から語り継がれているお話ですものね。
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