ねるまえに子どもと読んだ絵本のブログ。 -3ページ目

どろんこハリー ジーン・ジオン


著者: ジーン・ジオン, わたなべ しげお, マーガレット・ブロイ・グレアム
タイトル: どろんこハリー

 

「あ、これ懐かしい!保育園で先生がよく読んでくれたよ」
とムスコも懐かしそうに手にとっていました。


1964年発行、と最後のところにありました。日本版が1964年、英語版の原書(「HARRY THE DIRTY DOG」とありました。なるほど・・・)はもっと古くからあったのだと思います。
そんなに古い絵本なのに、今読んでもちっとも古くさい感じがしません。古くなっているのは町並みや、走っている自動車や家族のみんなの服装や髪型のほう。
かわいいハリーは21世紀の今も健在です。

お風呂が嫌いな黒いぶちのある白い犬のハリー。どろんこになって遊んで、白いぶちのある黒い犬に間違われてしまいます。
家に帰ってきて一生懸命芸をして「ぼくはハリーだよ」と訴えても家族のみんなは不思議そうな顔をするばかり。

この感じ、子どもにとってはものすごい恐怖なんではないかなと思います。
自分の姿が突然変わっちゃって、お父さんやお母さんが自分だとわからなくなってしまったら・・・考えただけでゾーッとします。実際、私もそんなことを考えて怖くなった覚えがあります。
でも、ハリーはおにいちゃんとおねえちゃんにお風呂で洗ってもらって、元通りの黒いぶちのある白い犬に戻ることができます。

ああ、よかったあ。
ハリーが一人ぼっちにならずにすんで。

子どもたちはみんな、ここでホッとするのです。




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しにがみさん 野村たかあき

野村 たかあき
しにがみさん

明治時代に作られた創作落語だそうです。


貧乏長屋の若夫婦。赤ん坊の食べ物にも困るありさまです。
いっそ死んでしまおうかと橋の上で思案している男に話しかけるものがありました。


びっくりした。だれだい?


わたしかい、
わたしは へへへ しにがみ だよ。


しにがみ!


ところが意外に親切な死神。男に金儲けの方法を教えてくれるのです。

お前はもう死神が見えるようになったから、医者の看板を出せ。病人の足元に死神がいるときは助かるし、枕元にいるときはもう助からない。足元にいるときはこう呪文を唱えれば死神はいなくなる。


アジャラカ・モクレン・ キュウライス・テケレッツのパア


言われたとおりにすると、医者は大繁盛。病人をたちどころに治す名医として男は大評判になります。お金もがっぽり儲かります。しかし欲に目がくらんでうっかり自分の寿命をお金で売り飛ばしてしまったのです。

また現れた死神は男を死後の世界に連れて行きます。一面に広がるろうそくの灯、灯、灯。
一本一本が一人一人の寿命です。まだ太くて長くて、炎があかあかとしているろうそくもあれば、すっかり燃えてしまって今にも消えそうに揺らいでいるろうそくもあります。

それが、おまえさんだ、と死神は男に教えます。このままろうそくが消えてしまったら男はこの世とはおさらばです。


落語らしいブラックユーモアいっぱいのオチが、笑えるけどちょっとだけこわ~・・・という感じです。

落語って今の物語にはない面白さがあるし、子どもでも十分楽しめると思うんです。だって昔から語り継がれているお話ですものね。




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やっぱりおおかみ ささき まき

ささき まき
やっぱりおおかみ

この絵本について書くのは、とても難しい。

どんなお話なのか、説明するのも

この絵本を読んで、自分がどう思ったか書くのも

なんだか、むなしい。


この本は子どもの頃に読んでから、ずーっと心のどこかにいつもありました。

図書館や本屋さんで見つけるたびに、必ず手にとってページを開きます。

まるで何かを確かめる作業をするみたいに。


「自分はみんなとは違う」

それがうれしいのか、うれしくないのか、良いことなのか、悪いことなのか。

大人になった今でもページを開いて「おおかみ」に確かめてもらうために。


「おい、どうだ、おまえに にた こ はみつかったか?」




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わかもとの知恵 筒井康隆 きたやまようこ

筒井 康隆, きたやま ようこ
わかもとの知恵

今もある「わかもと」という錠剤。(たしかお腹の薬だったような気がします・・・)

昔、この薬におまけでついていた「重宝秘訣絵本」をもとにした本だそうです。
「覚えておくと一生役に立つ」
というキャッチフレーズがいいですねえ。

出ているのはこんな知恵です。


出そうなあくびを止める知恵
目薬を上手にさす知恵
めりこんだトゲをぬく知恵
ミカンの中の袋の数をあてる知恵
カレーをこぼさずによそう知恵
赤ちゃんを泣き止ませる知恵
相手の名前が思い出せないときの知恵
ジャンケンの勝率を上げる知恵


ムスコは「おもしろいし、役に立つね!これ」
と熱心に読んでました。

子供向けというのがこの本のポイントかもしれません。


早速ごはんのときに「カレーをこぼさずによそう知恵」というのをやっていました。ネタバレしてしまうとおもしろくなくなっちゃうので、一個だけご紹介。

お鍋のまん中におたまをぐっと沈めて、お鍋の底までつけてから持ち上げます。そうしてよそうとおたまからポタポタカレーが落ちないのです。

「おおお!ほんとだ!こぼれないよ、見て見て!」
なるほど。たしかにこぼれませんでした。すばらしい。


なつかしい「ものしり」という言葉を思い出しました。

きたやまようこさんのイラストもかわいくてとてもいいです。



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3びきのかわいいオオカミ ユージーン・トリビザス

ユージーン トリビザス, Eugene Trivizas, Helen Oxenbury, こだま ともこ, ヘレン オクセンバリー
3びきのかわいいオオカミ

誰でも知っている「3びきのこぶた」のお話。
悪いのはオオカミで、家を壊されるのはこぶた。
ところがこのお話・・・


あるところに、ふわふわの けがわに ふさふさの しっぽを もった
3びきの かわいい オオカミが、 おかあさんと いっしょに くらして いました。


このオオカミたちが笑っちゃうほど人のよさそうな、優しそうな顔なんです。今までのオオカミのイメージがすっかり変わってしまいそう。ここでもうかなり笑えてきます。

おかあさんにこの家を出て、3匹で力をあわせて暮らすのよ、言われるオオカミ3兄弟。


「でも、わるい おおブタには きをつけるのよ。」


まず3匹は近くを通りかかったカンガルーにれんがを分けてもらってれんがの家を建てます。
そこへおおブタがやってくるのです。


ところが、このブタ、わるいのなんのって、もう とんでもない わるブタだったんです。


ハンマーを持って来て、あっという間にレンガの家を破壊してしまいます。


その後建てた鉄筋コンクリートの家も電気ドリルで、鉄板や鉄条網で固めた要塞のような頑丈な家もダイナマイトで
どっかーん!
粉砕してしまいます。

すっかりおびえてしまったかわいい3匹のオオカミたち。
いったいどうするのでしょう。


これだけ有名な話をパロディーにするのは大変だっただろうなあと思います。思わずクスッと笑えるエンディングもなかなかいいです。




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