ねるまえに子どもと読んだ絵本のブログ。 -5ページ目

おかし・な・ごはん 山岡ひかる

山岡 ひかる
おかし・な・ごはん

起きてきて朝食のテーブルを見たぼくはびっくりしてあくびが途中で止まっちゃった。

並んでいたのはお茶碗に入ったクッキー、大きなショートケーキ、チョコレート・・・


「ねえ、おかあさん これ、どうしたの?」

「わかんないこと いってないで はやくたべなさいよ」


朝ごはんがお菓子?いったい何が起こったんだろう?

不思議に思いながらもお菓子の朝ごはんを食べて、学校に行くぼく。

ところが給食も信じられないことにシュークリームにチョコレート、プリンにフルーツ牛乳。


朝も昼もお菓子だけなんて誕生日にだってありません。こんなラッキーなことってめったにないから、もしかしたら今日のおやつはものすごい豪華版かもしれない。楽しみに帰ってきたぼくに用意されてあったおやつは・・・ちいさなおにぎり2個。


ところが夕飯はまたもやお菓子、お菓子、お菓子!!その日から毎日3食ともご飯は全部お菓子で、おやつはハンバーグやオムレツ、エビフライ。でもおやつだからほんの一口か二口だけなのです。

おやつのハンバーグを二口で食べてしまったぼくは


「おかわりしてもいい?」


とお母さんにききます。


「こんやはごちそうなのよ~。 たべられなくてもい~の?」


夕飯に現れたのはおかあさん特製の超巨大ジャンボパフェ。おかあさんは倒れないようにそうっと運んできました。ぼくはうれしくてうれしくてそのジャンボパフェをあっという間に平らげてしまいます。

ダメだろうなあ・・・と思いつつ「おかわりしても、いい?」とおかあさんに聞いたら


「なにいってるの。どんどん食べなさい!」


おとうさんは


「えらいぞっ!たくさんたべて おおきくなれよっ!」


と頭をなでてくれるし。

いったいどうなってしまったのでしょう。


そしてとうとうごはんがお菓子になって一週間がたちました。

今日のおやつは一口で飲み込めそうなカレーライス。


「ねえ、おかあさん、カレー、もっとたべたいよ」

「だめよ。ばんごはん、たべられなくなるでしょ」

「ちゃんと ごはんも たべるからあー」


そのときぼくは思い出したのです。

この前のカレーの日、「ごはんもちゃんとたべるから」って言って、おやつのケーキを2つも食べてしまったこと。

その後夕飯のカレーはほとんど食べられなくて残しちゃったこと。

ぼく、あのとき おかあさんに「ごめんなさい」って いったっけ?

おかあさん、あのとき かなしそうな顔してた・・・

もう、おかあさんのカレーライス、おなかいっぱい食べられないのかもしれない。

あのとき のこしたカレー、いま たべたいよぉ。

「おかあさん、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

次の朝、ぼくが目を覚ましたときに聞いたのは、トントン、トントン・・・。おかあさんの包丁の音。それとおみそ汁のにおい。

あわてて台所に行くとテーブルにあったのはマヨネーズのかかったツナサラダと、とろっとした黄身の目玉焼きでした。

「おかあさん!お菓子ってさ、やっぱりおやつだよね」

おかあさんはくすっと笑って

「あたりまえでしょ」

と言いながらフライパンで焼いていたあつあつのウインナーをさまして、ぼくの口に入れてくれました。

その日のお夕飯はもちろん!大好きなカレーライスでした。

う~ん・・・これっていわゆる「食育」の本なのかな?

でも、あまりにお菓子がおいしそうで、大人でさえ足を踏み外してしまいそう。ほとんど描いてある絵と間違えそうなほど精密な貼り絵で描かれているお菓子たち。ものすごくキレイでおいしそうなんです。

「お菓子ばっかり食べてちゃダメでしょ」

って親サイドの意見を振り回すより、こういう絵本で攻めるほうが子供には伝わるんじゃないかと思いきや・・・

「いいなあ~この子!うらやましい!!オレも毎日お菓子でも全然平気!」

「え、だって白いごはん食べられなくなるんだよ、お前耐えられないよ、絶対」

「ううん、平気!」

・・・まあ、3食とも全部お菓子なんて絶対にありえないとわかってて言ってるんでしょうが。

そのくらい絵が素敵です。難しいこと抜きで楽しんだほうがいい絵本みたいです。




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すみません×10

使っていたPCがやっぱりダメになってしまって、新しいのを買ったり、設定にてこずったり、部屋の片付け始めちゃったり・・・

やっとネットできる環境に戻りました。

すっかりご無沙汰してしまって、

「このまま閉鎖しちゃうんじゃないの?」と思われた方もいらっしゃるんでは?

明日から、また更新します。

更新していない間も訪問してくださったみなさん、ありがとうございました。

本当にすみませんでした~!

おしゃべりなたまごやき 寺村輝夫 長新太


寺村 輝夫, 長 新太
おしゃべりなたまごやき


寺村輝夫さんの「王さまシリーズ」は読み聞かせにはちょっと長めのお話ですが、あまりにおもしろいので一気に読んでしまいます。

「おもしろいからもう1回読んで!」などといわれた時には思わず「カンベンして~」といったこともありました。

その中でも特におもしろい「おしゃべりなたまごやき」。絵は先日亡くなられた長新太さんです。

テレレッテ トロロット プルルップ タアー

王様のお出ましです。王様の一日は「あいさつのへや」で家来たちから挨拶されることから始まります。

大臣、兵隊の隊長、勉強の先生、お医者さん・・・王様は「あ、うん」と答えるだけです。

最後はコックさんが挨拶します。

「王さま、おはようございます。ばんのおかずは、なににしましょうかね」

「たまごやきがいいな。めだまやきにしてくれ」

わがままで、くいしんぼうで、子供みたいな王さま。

王さまが鶏小屋のとびらを開けてしまって、にわとりがお城中に飛び出してしまったから、さあ大変。家来たちは血眼で「犯人」を探します。

王さまはしらばっくれて家来たちの報告を聞いています。いくら探したって王さまが犯人なんだから見つかりっこありません。ところが王さまの部屋に隠れていた1羽のめんどりがカギをにぎっていたのです・・・

「でも王さまはいいなあ。おゆうはん自分の好きなおかずにしていいんだ」

「だって王様だもん、あたりまえじゃん」

「いいなあ~」

ムスコはうらやましそうにため息を付いて行ってましたっけ。




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絵本からうまれたおいしいレシピ2

きむら かよ, 晶子, アコ
絵本からうまれたおいしいレシピ2~絵本とお菓子の幸せな関係~

人気の本、第2弾が出ました!

今回もおいしそうなお菓子やお料理が原作のイメージピッタリに紹介されています。

表紙は「ちびくろさんぼ」のトラのバターで作ったホットケーキ!シロップとバターが溶けてしみ込んでる・・・おいしそう!!

「ぐるんぱのようちえん」に出てくるぐるんぱがとくべつはりきって作った「とくだいびすけっと」も。



きむら かよ, 晶子, 鳥越 美希
e mook『絵本からうまれたおいしいレシピ ~絵本とお菓子の幸せな関係~』

コチラは最初に出たほう。

甘いにおいが漂ってきそうです。




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ずいとん先生と化けの玉 那須 正幹・長谷川 義史

那須 正幹, 長谷川 義史
ずいとん先生と化けの玉

久しぶりにムスコに読み聞かせしました。

最近は寝る前ギリギリまでマンガ読んでいて、なかなか付き合ってくれません。

知恵を絞って、ムスコが好きそうなお話を図書館で探す私。

なんだか空しい・・・


お医者のずいとん先生、夜中に「子供の具合を見てほしい」と訪ねてくる女の家に行くことになりました。

立派なかごに乗せられて、山道を登って登ってたどり着いたのは大きなお屋敷。

こんな山の中にこんな立派な屋敷があったかな?

肺炎をおこしていた子供は、ずいとん先生の丸薬で熱も下がり、助かりました。

ところがこの女、実はキツネだったのです・・・

子供を治したお礼にずいとん先生が要求したのは・・・


おもしろいお話は一緒に読み終わったあと、必ず一人で読み返すムスコ。

この本もじっくり一人で読み返してました。

自分の読むペースや、絵や文章から膨らむ自分なりのイメージみたいなものができつつあるんだと思います。

うれしいような、さみしいような・・・




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