ジローとぼく 大島妙子
- 大島 妙子
- ジローとぼく
ぼくと飼い犬のジローは毎晩同じ布団で一緒に寝ます。ジローが子犬のころ拾われてきてから、ずっと一緒に寝ているのです。ジローはどんどんでっかくなって、もう布団からはみ出しそうになっているのに、一緒に寝ています。
そこでお父さんと一緒に、庭にジローのいえを作りました。屋根に窓がついているかっこい犬小屋です。
その夜。ぼくとジローは初めて布団と犬小屋ではなればなれで寝ることになります。
ジローは
「ウォーン」
「ウォーン」
と悲しい声で遠吠えを繰り返しています。
ぼくは我慢できなくなって、布団から抜け出して庭に出て、ジローのいえの中に入りました。
「きょうだけだぞ
きょうだけ ここで ねてあげるけど、
あしたからは ひとりだよ」
ぼくはそうジローに言い聞かせていつの間にかそのまま眠ってしまいました。
あくる朝目を覚ましてぼくが見たものは・・・・
家族のみんなと一緒ちゃぶ台の前にきちっと正座して、朝ごはんを食べているジローでした。
それもぼくのしましまのTシャツと青い半ズボンをはいて。
昨日の夜一緒に眠ってしまったせいで、ぼくとジローは入れ替わってしまったのです。
夏休みの絵日記みたいな素敵な絵で、ジローとぼくが元気よく描かれていて、とても楽しい絵本です。
ジローの顔が味わい深くってとてもいいですよ。
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くいしんぼうのはなこさん いしい ももこ なかたに ちよこ
いしい ももこ, なかたに ちよこ
この絵本もなつかしいです。
こうしのころからわがままなはなこさん。えさもあれが食べたい、これがいやだとわがまま放題でお百姓さんを困らせてばかり。好きなえさをたくさん食べさせてもらったおかげですくすくと大きく育ちます。
夏になって牧場へやってきて、他の牛たちと草を食べて暮らすことになります。これで少しはわがままも減るでしょう。
ところが、牛たちは角と角をぶつけ合って、チャンチャンとけんかを始めます。体の大きなはなこさんは、勝ち残って女王様になりました。
女王様のはなこさんは、他の牛たちのえさも、みんな一人で食べてしまいます。かぼちゃもさつまいもも、一人で食べつくして残ったのは皮やはじっこばかり。他の牛たちはそれをみんなで分け合って食べました。
次の朝、牛たちはびっくり。牧場の真ん中に大きなアドバルーンのような丸いものが立っています。おそるおそる近づいてみると・・・
「うもおう・・・」
それは、はなこさんでした。よくばって食べ過ぎたせいでお腹にガスがたまって、パンパンになってしまったのです。
「おなかが いっぱいで・・・くるしくて・・・くちも
きけないの。・・・は、は、はれつしそうなの・・・」
牛たちはびっくりして「もう!もう!」と鳴きたてました。騒ぎを聞きつけたお百姓さんたちもやってきて、また、びっくり。早くお医者さんを呼ばないと、はなこさんは死んでしまうかもしれません。
獣医さんが駆けつけ、はなこに特大の注射針を「ぷすっ!」と刺しました。
「うもおう・・・」
とはなこの鳴く声がして
「すすすすす・・・・・・」
とタイヤのパンクするような空気の抜ける音が聞こえてきました。
はなこさんは何とか助かりました。その後はけっしていばったり、一人でおいもやかぼちゃをたべすぎたりはしなくなりました。
絵がとてもかわいいです。昔読んだときはそれほど感じなかったのですが、今改めて見るとやわらかい色使いでうしのかわいらしさがとてもよく出ているなあと思います。こうして見ると、はなこさん、なかなかの美人です。
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かたあしのひよこ 水谷 章三 いとう ひろし
水谷 章三, いとう ひろし
思わずびっくりしてしまう絵本ですが、スペインに伝わる民話をもとにしたお話だそうです。
むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました。
ふたりは、いちわのひよこを、だいじにだいじにそだてていました。
なんと、ひよこのあしは金のあしでした。
昔話の王道、シンプルな書きだしです。金でできた足をもったひよこ。きっと幸運のしるしなんですね。
そこへ王様の差し向けた家来が大勢やってきて、ひよこの足を一本、取っていってしまいます。
一本足のまま、ひよこは大きくなって(でもなぜか、ひよこのまま。)ある日、おじいさんとおばあさんにこう言います。
「おいら、王さまのしろへ いってくる。かたあし とりもどしにいってくる」
ここから先がまた、奇想天外。すごいスケールで展開しちゃいます。
昔話って不思議ですね。どうしてそうなったか説明もなくお話の中に引き込まれて、結末も大体見当がついてる。でも、面白い。ああよかった。とみんなが安心する。世界中どこでも、いつの時代でも同じです。
いとうひろしさんの絵がすっごいスケールのお話を、ちゃあんとまとめてくれるのがまたスゴイです。
小さい子でも楽しく読めると思います。ぜひ読んであげてください。
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おぼえていろよ おおきな木 佐野洋子
- 佐野 洋子
- おぼえていろよ おおきな木
この本も紹介したいと思いつつ、ずっと延ばし延ばしにしていた絵本です。
お話のあらすじを紹介したら、きっと何か大事なものがこぼれ落ちてしまいそうで、うまく書けません。
おじさんの住んでいる家の前にある大きな木の話です。
春夏秋冬、おじさんはこの木とともに暮らしていますが、おじさんはこの木をいまいましく思っているのです。そして何かあると必ず、
「おぼえていろよ」
と木に向かって言うのです。
大切なのは、この大きな木が何も言わない「ただの木」なところだと思います。
ただ黙って、何年も前からずっとそこに立っているだけ。
「星の王子さま」の「大切なことは目に見えないんだよ」という言葉を思い出しました。
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ウエズレーの国 ポール・フライシュマン ケビン・ホークス 千葉 茂樹
- ポール・フライシュマン, ケビン・ホークス, 千葉 茂樹, Paul Fleischman, Kevin Hauks
- ウエズレーの国
ウエズレーは他の子とは「ちょっと違う」男の子。
ピザもコーラも嫌いだし、サッカーもばかばかしい。髪型も町の他の子とは違ってる。
だから、友達もいないし、いつも一人ぼっち。
パパもママもそれを心配してる。「ひとりだけ、いつもはみだしてる」って。
そんなウエズレーが夏休みの自由研究に選んだテーマは
「自分だけの文明を作る」こと。
学校で勉強してきたいろいろなことが、ついに役立つときが来た!
庭のすみっこを耕して、その晩ベッドに入った後、強い西風が吹いてきた。
「ほら、ぼくのはたけに、たねがとんできた」
風に運ばれてきた種はすぐに芽を吹き、大きく大きくなって真っ赤な大輪の花を咲かせる。図鑑にものっていないし、誰も見たことがない新種の作物。
いいにおいのする大きな実は食べてみるとモモとイチゴとリンゴをあわせたようで、甘くてとても美味しい。
ウエズレーは毎朝この実を食べることにした。コーンフレークなんてもう食べない。
この植物の葉を使って涼しくて軽い服を作ったり、新しいルールのゲームを考えたり。ウエズレーの「文明」はどんどん進化していきます。ウエズレーをいじめたり、からかったりしていた近所の子どもたちもうらやましそうにウエズレーの家の庭に出来た「新しい国」をのぞきこんでいます。
ウエズレーはしかたなく、その子達を中に入れて、いろいろやらせてあげることにします。植物の種からオイルを採る作業や、ウエズレーの考えた新しいゲームを。
自由研究の締めくくりにウエズレーは新しい国-ウエズランディアという名前をつけました-の歴史をウエズレー語-これもウエズレーが考えた80個の文字-でつづりました。
新学期が始まっても、もうウエズレーはひとりぼっちじゃなかった。同じ文明の仲間たちがいっぱいいたからです。
「文明」に必要なものって何でしょう?命をつなぐ食べ物、言葉、ルール、そして人。
まさに「男の子の世界」の絵本ですね。こういう絵本を読むと、ああ、男の子っていいなあ、うらやましいなあって思います。
息子へのプレゼントに、とお父さんが買っていくことが多い絵本だそうですよ。
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